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岩手でデジタルディバイドを考えた(2007/8/1)

WiMAXの全国免許をめぐっては、今日もアッカネットワークスさんが主要株主の移動のプレス を出すなど、ちょこちょこと水面下の動きが垣間見える。あと、少し前の話になるが、皆がすっかり忘れていた(というと失礼だが)TD-CDMA用の2GHz帯の免許をもっているアイピーモバイルさんも米NextWaveに筆頭株主が代わるという プレスが出ていて、日本の周波数免許も海外資本が保有してしまう雰囲気が漂ってきた。

そんな中、岩手県の市町村情報化サポートセンターさん主催の「無線によるブロードバンド整備に係る勉強会」に参加した。いろいろと岩手県の現状をお聞きして、デジタルディバイドについて改めて考えてみたので報告します。当日の講演資料はこちらです。

『次世代BWAの本命WiMAX』~その特徴と地域情報通信基盤としての利活用への期待~ [PDF 1.4MB]


今回の勉強会は地域振興部IT推進課の岩間さんのお誘いで参加した。岩間さんは岩手県のブロードバンド空白地域の解消に並々ならぬ情熱を傾ける敏腕行政マンだ。勉強会には県内の各市町村の企画担当者の方に加えて、テレビ局やケーブルテレビ局、通信や放送の機器メーカーの方を含めて80名もの専門家の方々が集まっていた。

会の冒頭、IT推進課の桐田課長からもご説明があったのだけど、実は岩手県はブロードバンド利用可能世帯が81.5%と日本で最も低い県だ(総務省の公開資料 を参照)。もちろんゼロ世帯の絶対数では北海道が多いのだけど、岩手県は険しい山間部に加えて、海岸の地形が複雑なためにブロードバンドのカバー率を上げるの難しい(というかべらぼうにコストがかかる)との事だ。

勉強会では冒頭に僭越ながら私からWiMAXにいて説明をさせてもらった。内容はもちろんデジタルディバイドに重点を置いたのだけど、自治体の方にとっては「重い責任」となるブロードバンドゼロの解消だけを考えるのではなく、2.5GHzの地域バンドによって、地域主導で高品質の自治体無線ネットワークをつくる事も可能である事もお伝えして、コストダウンや地域の活性化などに前向きに活用するアイディアも紹介させてもらった。会場からは4.9GHz帯の高出力無線LANを使ったシステムとWiMAXの違いやモバイルWiMAXの実力値など、鋭い質問をいただいて、岩手の皆様の関心の高さを肌身で感じる事ができた。

デジタルディバイドは国や地域(都心/地方)間の格差に留まらず、情報通信技術への習熟度や、国によっては貧富の差や人種や民族間の格差にも繋がる大問題だ。幸い(?)日本では地理的な条件によるブロードバンド空白地帯に議論が集中しているが、本当のディバイドは情報通信技術を使いこなす人とそうでない人の格差にあり、日本も決して例外ではない。

パソコンやインターネットの世帯普及率が80%前後で横ばいとなっている日本では、ブロードバンドの普及率も同じく80%ほどで停滞するだろう。そうなると残り20%の世帯を、世の中の動きから取り残さないようにする施策が、世界に先駆けて求められることになりはしないだろうか。しかし実情は、パソコンを使わない高齢者の世帯が多数を占める地域からのブロードバンドゼロ解消への要望はそれほど高くはないとも聞く。

デジタルテレビやビデオゲーム機のLAN接続インタフェース搭載が一般的になっても、これを理由にインターネットを使ったことのない人にFTTHのブロードバンド回線の契約をしてもらうのは無理な話だ。お店で買ってきた液晶テレビやビデオゲームを楽しむために毎月の利用料がかかる。そしてその料金の一部にちょっとだけWiMAXの通信料が入っている。そんな世界が実現すれば、プレゼントしたパソコンを拒否した年金暮らしの私の両親もデジタルディバイドから抜け出せるのだけどなぁ。と改めて感じた一日だった。

(2007/08/02 01:56 干場 久仁雄)

Posted by on Wednesday, August 01, 2007

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