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2.5GHz免許割り当て方針 - 骨子(2007/5/16)

むくのです。

さて、昨日発表された総務省の免許割り当て方針ですが、改めて骨子をまとめたので、最後に記載します。”昨日総務省で開示されたホームページ”: http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070515_1.html に、別紙として全国バンドと地域バンドの指針案がPDFで掲載されています。

・2.5GHz帯の周波数を使用する特定基地局の開設に関する指針案(別紙1)
 →全国バンド
・2.5GHz帯の周波数(固定系地域バンド)を使用する無線局の免許方針案(別紙2)
 →地域バンド

正確なところと詳細はこの別紙を見ればいいのですが、これがまた実に分かりにくいです。例えば話題の「3G携帯事業者の子会社、孫会社はダメよ」と言っている箇所はこんな感じです。(別紙1 五-3-(四))

==========以下原文====================
申請者が法人又は団体である場合にあっては、一の第三世代移動通信事業者、当該第三世代移動通信事業者が議決権の三分の一以上を保有する者、当該第三世代移動通信事業者の議決権の三分の一以上を保有する者及び当該第三世代移動通信事業者の議決権の三分の一以上を保有する者が議決権の三分の一以上を保有する者(当該第三世代移動通信事業者を除く。)が所有する申請者の議決権の合計が三分の一を超えないこと。この場合において、一の者が議決権の三分の一以上を保有する者が議決権の三分の一以上を保有する者は当該一の第三世代移動通信事業者が議決権の三分の一以上を保有する者と、一の者の議決権の三分の一以上を保有する者の議決権の三分の一以上を保有する者は当該一の第三世代移動通信事業者の議決権の三分の一以上を保有する者とみなす。
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い、いったい、どれが主語でどこまで修飾語で、どの主語がどの述語にかかってんねん・・・と混乱してしまいます。昨日帰りの電車で必死に読んでいたのですが、ついに理解できませんでした。ほとんど暗号文です。なので、ここの箇所だけは最後に記載した骨子でも省略しています。

さて、この発表を読んでの個人的な感想ですが、4つほどあります。

もともと私自身携帯会社で無線基地局の設計などを以前やっていたので、全国バンドの方は「至極当然」という感じです。むしろ、携帯事業者以外にこれをやれというのは結構きついものがあると思います。特に全国カバー率(3年で10%、5年で50%)は厳しいでしょうね。

というのも、いくら財務的に大丈夫でも、実際にはこれから全国にわたって基地局を建設する場所を確保しないといけないからです。ローレベルなところではありますが、無線基地局を面展開していく時に見落としがちなポイントが、この「置局」選定と、ビルや不動産のオーナーさんとの交渉です。時勢柄なかなかすぐには「うん、いいよ」とは言ってくれないですし、そうなるとやたらと時間がかかります。これを既存のビル局を持つ携帯事業者ではなく、一から行わないといけない新規事業者にはきついだろうなと想像してしまうわけです。

それに比べて、地域バンドの方は逆に「ずいぶん緩いな」というのが元携帯屋さんから見た印象です。行政との話し合いや、隣接ch/同一chの事業者との承認は必要ですが、面積カバーや人口カバー、事業開始のタイミングなどほとんど制限事項がありません。総務省や国が地域の活性化、促進を進めていこうという意図がよく伝わってきます。

ただし、手放しで喜べるものでもありません。それは2つあって、一つは10MHzしか割り当てられなかったことと、システム同期が義務づけられたことです。

10MHzというのは携帯に比べると多いのですが(CDMAでは1波あたり3MHzちょっと)、WiMAX的には「物足りない」というのが率直なところです。特に地域バンドは、地域CATVなどが映像を中心としたイベント中継や防災などに利用することが考えられるため、10MHzではスループットとキャパシティが足りないのではないかと危惧します。

今年の始めから、総務省での検討作業に会社を代表して私も参加させていただきましたが、その中で10MHzにおける最大スループットは下りが20.74Mbps、上りが11.52Mbpsと報告されています。これはもっとも電波条件が良い状態の時の話なので、実際には基地局からせいぜい400-500m以内での話だと思います。MIMOのような空間多重技術を使っても効率は1.3-1.5倍と言われていますので、下りで30Mbps、上りで16Mbps程度が期待できる最大値となります。通常のモバイルインターネットでは特に問題ないでしょうが、映像伝送を考えるともう少し帯域が欲しかったというのが率直なところです。

そしてシステム同期ですが、これは通信を行う事業者が設置する全基地局の下りと上りの送信タイミングを同期させるということを意味しています。つまり、あるタイミングで「せーの!」で全基地局(異なる事業者であっても)が下りを送信し、あるタイミングが来ると今度はいっせいに上りの送信を始めるというものです。

干渉を避けるためには仕方がなかったことなのですが、想像されるのが、例えばあるCATVがイベント中継のため現場からハイビジョンの映像を流したいといった場合です。WiMAXは下り、上りに使用する帯域の比率を変えることができるので、この例のように上りのスループットができるだけ欲しい場合は上りの比率を変えて、上りのスループットを上げることが可能になります。しかし、全事業者、全基地局でシステム同期が義務づけられたということは、ある事業者が勝手にある基地局だけ上りの比率を上げるということができなくなったということを意味します。

そして、4つ目の個人的感想は電波利用料について記述がないのがちょっと気になります。

以下、今回の方針の骨子です。あくまでも参考程度にして、詳細、正確なところは総務省の資料をご参照ください。

==========2.5GHz免許割り当て方針の要旨==============
【全国バンド】
・ 30MHz割り当て
・ 下のバンドでは2535-2545MHzにおいて2014年末まで運用制限あり
→N-Starのため
→具体的な制限事項は記載なし(答申には記載されている)
・ 認定日から3年以内に運用開始の必要あり
・ 認定日から3年以内に全国カバー率が10%以上
→全国カバー率の定義が公開文書ではいろいろ記載されているが、県庁所在地を指す面積カバー率と通信が可能な人口カバー率を指すと思われる。携帯電話と同じ)
・ 認定日から5年以内に全国カバー率が50%以上
・ 小セル化および空間多重技術の導入が必須
→空間多重技術とはMIMOおよびAAS(アダプティブアレイアンテナシステム)を指す
・ 申請について
→基本的に第三世代移動通信事業者は不可
→申請者の条件:公開文書では非常に複雑な書き方をしているので割愛。基本は3G携帯事業者が議決権を1/3以上保有していないこと。
・ 認定事業者に課される条件
→毎年度四半期ごとに開設計画の進捗状況を総務大臣に提出
→→開設計画へ記載する事項
→→開設数とカバー率に関する今後の計画
→→整備するための能力
→→設備の確保に関する実績と今後の計画
→→設置場所確保に関する実績と今後の計画
→→開設に対する地域住民への取り組みに関する実績と今後の計画
→→工事業者他協力業者との体制確保に関する実績と今後の計画
→→技術的検討、実験、標準化活動の実績
→→技術要員の確保に関する実績と今後の計画
→→電気通信主任技術者の配置に関する実績と計画
→→財務基礎
→→→業務開始から5年後までの年度毎の収益/費用見通しと根拠
→→→資金計画
→→→出資者の財務諸表
→→法令遵守/個人情報保護法のための体制に関する実績と計画
→→混信防止策
→→→送信バースト長
→→→フィルタ、サイトエンジニアリングなどの改善計画
→→小セル化と空間多重技術導入に関する計画
→→他通信事業者への役務提供又は接続に関する条件設定計画、利用促進計画
→→→回線開放、MVNOを指すと思われる
→免許認定要件
→→計画の適切性、確実性
→→→合理的、具体的な整備計画を持っていること
→→→整備するための能力を持っていること
→→→設置、運用の技術的能力を持っていること
→→→事業を確実に開始し、継続的に運営するための財務基礎を持っていること
→→→保守、管理体制、障害対応体制を持っていること
→→→無線従事者を配置していること
→→→電波法、電気通信事業法を遵守する体制を持っていること
→→混信防止
→→→混信防止技術を導入する計画を持っていること
→→→対策を行う計画を持っていること
→→寄与
→→→(免許を割り当てられなかった)他の電気通信事業者へ無線設備の利用促進を行う計画を持っていること

【地域バンド】
・ 10MHz割り当て
・ 基本的な考え方
→地域特性、ニーズに応じたブロードバンドにより、公共福祉の増進に寄与することが目的
→→デジデバ解消
→→公共サービスの向上
・ WiMAXまたは次世代PHSが対象
・ 申請者は市町村(事務組合含む)または電気通信事業者
・ 全国バンドと同じく、第三世代移動通信事業者および議決権1/3以上の事業者は不可
・ 免許区域
→原則、市区町村の区域内
→固定系地域バンドの考えに反しない限り、以下も認められる
→→市区町村内で分割された複数の区域内
→→複数の市区町村に渡る区域内。ただし、県全域は不可
・ 申請のための調整
→全国バンド事業者と干渉回避・低減について合意済みであること
→隣接地域の地域バンド事業者と干渉回避・低減について合意済みであること
→隣接地域の地域バンド事業者とシステム同期を取ること
→→GPSによる送受信タイミング、送信バースト長の最大値を一致させることを意味する
・ 申請の審査
→上記目的に関して関係地方公共団体(当該地域を行政区域とする市区町村及び都道府県)へ意見を照会し、その意見を参考にする
→同一地域で複数事業者が申請した場合は比較審査を行う。決定方法は以下の通り
→→提供するサービスの需要適合性。具体的には関係地方公共団体が定めるブロードバンドの整備に関する計画に則していること
→→基地局の配置計画の適切性、計画実施の確実性
→→→より迅速かつ適切にサービスを提供するために、合理的、具体的な基地局配置計画を持っていること
→→→整備、導入、運用、高度化のための技術的能力、保守、障害対応のための体制がより充実していること
→→干渉回避・低減対策がより充実していること
→→デジデバ解消、地域公共サービス向上のために、より能率的、経済的であると認められること
→→電気通信事業の健全な発達に寄与する度合いがより高いと認められること
・審査に必要な書類
→上記を証明する事項。ただし、「基地局の配置計画の適切性、計画実施の確実性」は不要。具体的には
→→提供するサービスの需要適合性
→→干渉回避の適切性
→→開設の必要性
→→電気通信事業の健全な発達への寄与
・ 高利得FWAを使用することができる地域
→過疎地(別途法律で定義)
→離島(同上)
→山村(同上)
→上記以外でも、全国バンド/地域バンドの円滑な普及に支障がないと特に認める地域
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Posted by on Wednesday, May 16, 2007

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