2.5GHz帯の免許方針は競争重視(2007/05/15)
いろいろと忙しくてすっかり更新をサボっていた所に、ビッグニュースが飛び込んできた。
広帯域移動無線アクセスシステムの免許方針案についての意見募集
日本では電気通信に利用される電波の免許の行方は、技術的条件の決定を経た後に、総務省より出される「免許方針」と呼ばれるものが出た時点でほぼ決定するといわれる。これがWiMAXの利用が予定される2.5GHz帯域でいよいよ発表されたのだ。WiMAXに携わって丸2年、ようやくこの日が訪れた…
さて一般的な解説は、やはり一般的なメディアに譲るとするが、世の中の話題を一言で言うと、韓国と同じく携帯電話事業者の手に渡ると思われていた全国バンド(全国でサービスを提供する事業者向けの周波数)が、予想とまったく逆に携帯電話事業者「以外」の2事業者に渡すという方針が出た事だ。新規事業者に免許を提供し、携帯電話との競争を促進するとは、台湾にも負けない粋な取り計らいだと思う。
総務省発表の添付資料(別紙1 別紙2 )の文面は非常に難解だが、簡単に言うと第三世代携帯電話の事業者はもちろん、その親会社も、子会社も、グループ会社も、孫会社もダメです、という事のようだ(1/3の議決権というのがその判断基準になっている)。免許は大きく分けて、全国バンドと地域バンドの2種類が用意されているのだけど、この基準は両方のバンドに適用される。もちろんこの基準を回避する事もできるのだが、明確に方針として示された事は非常に重要だろう。
もう一つ重要な事は、ウチが特に注目している地域バンド(最近まで想像上のものだった)が、10MHzとはいえしっかりと方針に記載されたという事。しかも申請は市区町村単位で(複数の市区町村をまとめて申請しても良いが、都道府県レベルまでまとめてはダメ)、免許申請は自治体や事業者が行う事ができる。これはまさに地域がそれぞれ新しい通信インフラを作る、日本版の自治体インターネットである。
今回の免許方針は「携帯電話事業者 vs. 新興モバイルブロードバンド事業者」「全国サービス vs. 地域サービス」という極めて斬新な競争を誘発する秀逸なものだと思う。先進国の中ではスタートが遅れた日本のWiMAXだが、先行者の経験を十二分に考慮したこの免許方針が、どのように日本の通信市場を発展させていくのか、きっと世界中が注目しているはずである。
(2007/05/16 04:22 干場 久仁雄)
Posted by on Wednesday, May 16, 2007
