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WiMAX東京研究会(2007/04/30)

さて、いよいよ東京研究会のレポートをお届けしたい。

慶應大学大学院、政策・メディア研究科の小檜山先生からの基調講演の内容は示唆に富むものだった。ちなみに小檜山先生はNTTの無線システム研究所(現ワイヤレスシステム研究所)の所長という重職であった方で、日本が誇る無線通信方式であるPHSの開発者として有名であられる。

小檜山先生はまず、WiMAXがインターネットと従来の電気通信の両方の性質を持っており、どちらにでもなり得る事を示した。その上で、占有周波数(特定の通信事業者が免許を得てサービスをすること)を前提とする現在の方向性は、電気通信的なアプローチであり、これがWiMAXの普及展開に与える影響は非常に大きい事を指摘した。

次に利用者からの視点として、まず「ブロードバンドはユニバーサルサービス」という社会的合意を形成し、高齢化社会や環境負荷の低減といった高い視点から、地域が取り残されない仕組みづくりを行うべきと提唱した。またその具体的な方策として「地域サービス間の競争」「地域サービスと全国サービスの競争」「インターネット的サービスと電気通信的サービスの競争」といった、新たな形の競争を引き起こし、ビジネスを成り立たせながら、創意工夫によってWiMAXサービスを展開する案を示した。

また、インフラ展開上の重要なポイントとして、モビリティ(移動性)の再考を促した。一般的にモビリティというと移動しながらの通信を指す事が多いが、実はインフラとしては、通信を「着信」させるために端末のロケーションを常に管理する仕組みの方が大きいという。そして、従来のインターネット的サービスは端末からサーバー側にデータを「取りに」行く事が前提であったため、モビリティの普及は進んでいないという。


小檜山先生のお話は、複数の事業者が同一の周波数を共有するPHSを開発されたご経験からか、極めて根源的である。恥ずかしながら、当方は先生に色々とご意見を伺うなかで、「なぜモバイルWiMAXは占有周波数である必要があるのか」について十分な説明ができなかった。

「モバイルサービス=占有周波数でないとサービスが成立しない」というのが一般的な結論だが、一方、WiMAXを非電話サービスと考えれば、鉄道や高速道路以外での継続的な通信というのはそれほど需要はないかもしれない。それよりも端末のロケーションを管理しない簡便なインフラで、低廉なサービスを提供する事のほうが、よほどユーザにとって喜ばれるサービスになるのかもしれない。


(2007/04/30 19:56 干場 久仁雄)

Posted by on Sunday, April 29, 2007

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