IPv6とAndroid携帯は30億人をつなぐか?
IPv6仕様の設計者のうちの一人で、Nokiaの技術フェローであるBob Hinden氏が、1月の「Google IPv6会議」で、携帯電話とIPv6について語っている。 Youtubeのビデオをおさらいしながら、Googleが期待するIPv6の役割と、携帯電話業界の未来を考えてみる。
Google IPv6会議のセッションはYoutubeに公開されているビデオ、「Google IPv6 Conference 2008: IPv6, Nokia, and Google」(2008年1月)で見ることができる。このセッションの最初で、Hinden氏はGoogleが期待するIPv6の役割を紹介している。「IPv6の役割は、世界の人口のうち30億人がインターネットに接続し、Googleを利用できるようにすることだ。」
すでに、事実上の世界の標準携帯電話である、GSM携帯電話は約10億人のユーザが存在する。ただし、ブラウザがなかったり、SMSがインターネットに通じていなかったりしている。世界のGSM携帯電話ユーザがインターネットに接続するには、携帯電話のネットワークや端末を対応させなければならない。本当に30億人もの人に普及するのだろうか?という疑問もわいてくる。
しかし、Google Android(デモビデオ)のような、オープンで誰でも製造しやすく安い携帯電話プラットフォームが現実味を帯び、携帯電話機相当の機器を想定した省電力チップである、Intel Atomも発表された。また、200~500ドルの新型軽量ノートパソコンの発表も複数のメーカから発売されている。
このような新製品ラッシュの中で、特にGoogle Androidは、さらに10億人をインターネットに接続するための携帯電話とも言われている。10億台というと、とてつもなく大きすぎる数字のようにも思えるが、世界的に見るとそうでもない。2008年の春は
三菱電機が携帯電話機事業から撤退を発表したり、
ソニーエリクソンが日本のドコモ向けの携帯電話から撤退を発表などというニュースがあった。ソニーエリクソンの場合、日本国内での販売台数は約400万台だが、世界的に見るとグローバル標準の携帯電話機の出荷は1億台以上となっており、販売量の低迷がドコモ向けからの撤退に結びついていると言われる。また、2007年にヒットしたiPhoneは、2008年にさらに1億台以上が販売されるという見通しもあり、世界の携帯電話機ビジネスは億台単位の競争になっている現実がある。
確かにGoogle AndroidはiPhoneに比べると洗練されていないイメージがある。しかし、Nokiaの高性能な3G端末やiPhoneのようなマルチメディア端末の価格帯が500-600ドル以上と高価なため、Google Androidで200ドル以下のインターネット対応携帯電話を実現し、中国、インド、南米などで10億単位のインターネットユーザを創出する、というのがGoogleの期待だ。IPv6はそのために必要とされている。
