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IPv4アドレス空間の枯渇?(2)

いまIPv4アドレス空間はどういう状態にあるのだろうか? あるアメリカ人の友人とIPv4アドレス枯渇状況について話をしていた 時に出てきたイメージがわかりやすかったので、紹介しよう。

これまでは、石油や貴金属の埋蔵量などが例えとしてよく取り上げ られてきた。たださすがアメリカ人。アメリカ西部開拓の感覚の方が 近い、という。

アメリカ大陸は移植当初は途方も無く広く見え、西はいくらいっても グリーンフィールド(どこまでも広がる新しい空間)だった。だから 西の土地は有効に使ってくれそうな人に大きく分配したりしていった (いわゆるクラスA/B/Cの配布時代)。いまでもその土地がなくなる ときが来ると思っていない人は多い。

ところが目前に西海岸が見えてきたとき、その広さに限りがあり、 欲しいという人に渡していく形が本当に望ましいのか、と感じる人が 出てきた。土地をただ囲っているだけの人もいたことだろう。みんなで 土地(アドレス空間)を分け合い切る時、そして分け合いきったあと、 新たに土地が欲しい人は、だれかが土地を手放さない限り土地を手に 入れることが出来ないというSolid Stateの状況での、土地トレードの ルールが無いことにみんなが気が付きはじめた。 (これが今の状態ではないかと感じる)

この様な状態では、土地の取得がライセンス化されて土地を持てる人が 限定的でない限り、市場原理が働いて、土地を欲しい人がお金を積んで 土地を取得することになるので、取得コストが上がることになる。 欲しいといって低コストで土地を取得できる時代が終わり、欲しいときに 土地を譲ってくれる人を探さないといけない時代になったということだ。

同時に、APNICやJPNICといったレジストリの機能も、申請・審議・適切な アドレス空間サイズの割り振り、ではなく、アドレスホルダ登録管理と アドレス移転時のトラブル仲裁役となるのだろう。

このアドレス空間のトレードが、事実上市場として成り立つのか、その辺 まだ非常にグレーだが、既にブラックマーケットがある、という人いる。

有限で貴重な資源とみるなら、有効に使ってもらう為に、あまり利用度が 高くない(価値を余り生んでいない利用をしている)空間は有効に使って もらえるような仕組みを入れるべきなのかもしれない。例えば、アドレス 管理維持料を引き上げて、無駄にアドレスを持っていることが負担になる くらいの価格にするとか。それによって、健全なアドレス空間のトレード が行われるなら、よいことかもしれない。 逆に、このコストを低くおさえたい、欲しい空間を確保したい、という ことならば、新たにグリーンフィールドとして用意されているIPv6へ移行 すべきだろう。これまで通り、制約の少ないアドレス空間で、サービスを 自由な発想で提供していける。

その意味で、IPv4アドレス空間のフリープール(在庫)枯渇は、使っている サービスの価値に見合ったIPアドレスの価値かを見直し、IPv6への移行や 使い分けを考えるよい機会となった。

(2007/06/19 戦略企画室 伊藤)

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